殺陣用語

辞典

殺陣関連で使用されている言葉をまとめてみました。ぜひご活用ください。

あ行

アクション監督あくしょんかんとく
殺陣師・技斗スタッフの上に位置する役職で、格闘シーンでのカメラワークやカット割りも含めたアクションの設計、撮影とそのシーンの編集まで手掛ける専門職。
足運びあしはこび
足捌き。足の動かし方。
足払いあしばらい
刀で相手の足を狙う斬り方。
歩み足あゆみあし
普段の歩き方と同様に足を出す、足運び。
居所いどころ
相手の居る場所。殺陣では安全の為、刀が当たらないように相手の居ない所に刀を通す事があるため、相手の居る所に向かって斬る場合などに用いる。
入り身いりみ
相手の攻撃に対して、相手に向かって半身はんみで相手の懐、間合いに入る事。
受けうけ
相手の攻撃を防ぐ事。上段・中断・下段など様々な受け方がある。
受け流しうけながし
「流し」と略す事が多い。攻撃してきた相手を自身の後方に受け流す捌き方。
受け身うけみ
相手に投げられた、また自分で倒れた時、安全に身体を制御できる方法。
得物えもの
武器として使う道具の事。
おこづく
つまずいてよろけたような仕草。
送り足おくりあし
前足を一歩踏み出した移動に伴って後ろ足が付いてきて、前足のかかとに後ろ足の土踏まずが付く足運び。
追っ払いおっぱらい
相手と間合いをとるために刀を振る事。
落としおとし
斬りかかってきた、もしくは突いてきた刀を上から下へ叩く捌き方。
落とし差しおとしざし
帯刀の仕方のひとつ。地面に対して刀を垂直ぎみに帯刀する事。

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か行

かすみ
霞の構え。正眼の構えから、切っ先を左に開き、手元を引いた構え。
刀をたたむかたなをたたむ
相手との距離が近い場合に、相手に刀が当たらない様に、切っ先を自分の方へ寄せながら振る、斬り方。
担ぎかつぎ
肩担ぎの構え。刀を肩に担ぐように構える。
絡みからみ
絡み手からみて掛かりかかりとも言う。殺陣・技斗における脇役の事。斬られ役という事もある。
閂差しかんぬきざし
帯刀の仕方のひとつ。地面と刀を水平ぎみに帯刀する事。
跪坐きざ
つま先を立て、膝を折った上に腰をおろした姿勢。
切っ先きっさき
刀の先のとがった所。最もよく切れる部分(先端から10センチほど)を切っ先三寸きっさきさんずん、ものうちどころ、と言う。
切っ先を走らせるきっさきをはしらせる
手首の返しを使って、素早く刀を振る事。
技斗ぎと
擬斗・擬闘ぎとうとも書く。現代劇における戦い。主に無手での格闘を指す事が多い。
技斗スタッフぎとすたっふ
技斗に関して、俳優への指導や人選をしたり、手付けを行う役職。
斬り上げきりあげ
逆袈裟斬りぎゃくけさぎりという人もいるので注意。相手に向かって左下から右上へ斬りあげる斬り方。腰から首元へ向かって斬る。左右反対にした斬り方を左斬り上げひだりきりあげということが多い。
袈裟斬りけさぎり
袈裟と略す事が多い。右袈裟みぎけさとも言う。相手に向かって右上から左下へ斬りおろす斬り方。首元から腰へ向かって斬る。左右反対にした斬り方を逆袈裟斬りぎゃくけさぎり左袈裟ひだりけさとも言う。
下段げだん
下段の構え。刀の剣先を足元へ下げた構え。相手を誘う為に使われる事が多い。
下馬げば
歌舞伎から来た言葉。見得をきる際に使われる事が多い。転んだ相手を踏んで見得を切る際の踏まれる側の人。足を正座のようにたたんで丸まった姿勢が多い。
牽制けんせい
刀や目線、体位などで、相手を抑止する動きや所作。
現代殺陣げんだいたて
技斗ぎとと同義だが、武器を持って戦う現代劇に使われる事が多い。アクション殺陣という人もいる。
鯉口を切るこいくちをきる
刀を鞘からわずかに抜き緩める所作。鞘に収まった刀をすぐ抜刀できるようにしておくことなどを意味する表現。
声かけこえかけ
切られ役が主役に斬りかかる時に、合図として出す声。「えい」「やー」など。
五行の構えごぎょうのかまえ
上段・正眼(中段)・下段・八相・脇構え、の五つ基本の構え。
腰を入れるこしをいれる
腰を安定させる姿勢を取る事。
金剛こんごう
金剛の構え。刀を正中線に真っ直ぐ立てた構え。

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さ行

逆手持ちさかてもち
刀の持ち方のひとつ。逆手さかてとも言う。本来の持ち方を順手じゅんてといい、刀身が小指側になるように持つ。
捌きさばき
相手の攻撃をさばく事・こなす事。受け・落とし・跳ね上げなどの総称。
鞘送りさやおくり
抜刀前に左手で鞘を前に押し出す所作。
鞘引きさやびき
抜刀する際、刀を前に出しながら、左手で鞘を後ろへ引く所作。
残心ざんしん
残身・残芯と書く事もある。斬ったあと気を抜かず意識をし続ける事からくる、次の動きに繋げる所作やその表現。
膝行しっこう
ひざまずき膝頭を地について進退すること。退がることを膝退しったいとも言う。
シャッター
立ち回りの中で、絡みからみ同士が立ち位置を入れ替わる動作。
十字受けじゅうじうけ
水平に斬りかかってきた刀に対して、刀を垂直に立てる受け方。刀どうしで「十」の字になる。
順手じゅんて
いわゆる刀を普通に握る事。刃を上にして、右手が鍔側、左手が頭側になる。
所作しょさ
立ち居振る舞いの事。立ち方・歩き方・刀の持ち方などなど。
上段じょうだん
上段の構え。刀を頭上に振り上げた構え方。上段より上へ振り上げる事を大上段だいじょうだんと言う。
しん
心と書く場合もある。殺陣・技斗における主役の事。
真剣白刃取りしんけんしらはどり
斬りかかってきた刀を両手(素手)で挟み受ける技。
擦り上げすりあげ
攻撃に対し、刀を下から上に振り、みねもしくはしのぎを相手の刀に擦らせて、相手の刀を跳ね上げる捌き方。
すり足すりあし
殺陣における基本の歩き方。腰を入れて、腰の高さを変えず、足の裏を相手に見せないように歩く。
擦り流しすりながし
自身の刀の切っ先を下方にして、打ってきた刀をいなす捌き方。避けよけの際に、自身の体に沿わせて身を守る。「ジャリン」や「シャリン」など擬音で言う事もある。
寸止めすんどめ
「止め」と言う事もある。刀を捌かれる際に、安全面と捌かれる前提の為に、刀を相手に向かって振るが、当たらない所で止める事。
正眼せいがん
正眼の構え。基本の構え、中段の構えと言うこともある。相手の喉元に刀の先を向けた構え方。
背落ちせおち
トンボを切るなどと言う。宙返りして背中から地面に倒れる事。
鶺鴒差しせきれいざし
帯刀の仕方のひとつ。鞘の先が鶺鴒の尻尾の角度になるように帯刀する事。
蹲踞そんきょ
膝を折り立てて腰を落とした立膝をついた座法。

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た行

帯刀たいとう
腰に刀をつけること。または身につけている刀の事。
立ち回りたちまわり
時代劇・現代劇問わず、戦いを指すため、殺陣も技斗も立ち回りという。
殺陣たて
時代劇における戦いのお芝居。
殺陣返したてがえし
舞台の本番前に、殺陣の振りを確認する事。芝居と同様に「返し」と略すこともある。
殺陣師たてし
殺陣に関して、俳優への指導や人選をしたり、手付けを行う役職。
殺陣田村たてたむら
1936年、沢田正二郎の七回忌記念公演の演目だが、一手一手の刀のラインや足運びなどの所作を綺麗に見せる表現として使われることもある。殺陣を「たて」と読み始めたのもこの演目から。
千鳥ちどり
しんに向かって複数人の絡みからみが連続して斬り掛かる事。絡みは左右から同じ斬りかかり方で行う。稽古で行う事が多い。
血振りちぶり
斬り終わった後、または納刀の前に、刀から血を振り落とす所作。
突きつき
刺突しとつとも言う。相手を武器で突く事。
付け回しつけまわし
絡みからみしんを中心に斬りかかろうとしながら芯に付いて周りを動き、付け狙う動作。
鍔競り合いつばぜりあい
「鍔ぜり」と略すことが多い。打ち合わせた刀を鍔もとで受け止めたまま互いに押し合う所作。
斬る・受ける・避けるなど、立ち回りにおける一つの行動(行為)の事。またはその単位。
手が遊ぶてがあそぶ
刀を片手で持った時、もう片方の手が落ち着かず、無意識に動いている様。
手数てかず
立ち回りにおける手を足した数。「避けて、斬る」なら2手。
手付けてつけ
手付てつけ殺陣付けたてつけ振付ふりつけとも言う。殺陣を組み立てる作業の事。殺陣師が行う。
手を捨てるてをすてる
攻撃する際に、素早く省略して振る・フェイクとして用いられる事が多い。例えば、袈裟・逆袈裟と斬る時、袈裟を素早く省略して逆袈裟斬りするなど。
天神差してんじんざし
帯刀の仕方のひとつ。刃の側を下に向けて帯刀する事。
天地てんち
歌舞伎から来た言葉。天は上、地は下、上と下で刀を合わせる事。二刀で同時に行うこともある。
胴斬りどうぎり
相手に向かって右から左に水平に斬る斬り方。左右反対にした斬り方を逆胴斬りぎゃくどうぎり左胴斬りひだりどうぎりとも言う。
飛ばしとばし
弾きはじき払いはらいなどとも言う。斬りかかって来た相手の刀に対して自身の刀を振り当て、相手に後ろにさがってもらう(跳ね上げ)・自身の後方に移動してもらう(受け流し)以外の方向に移動してもらう時に使う。
止めとめ
「寸止め」の事。刀を捌かれる際に、安全面と捌かれる前提の為に、刀を相手に向かって振るが、当たらない所で止める事。
トンボを切るとんぼをきる
背落ちせおちなどと言う。宙返りして背中から地面に倒れる事。

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な行

長物ながもの
棒・槍・薙刀などの長い武器の総称。
殴りなぐり
単に拳でなぐる事もあるが、棒や槍・薙刀の石突など、刃の無い長物で相手を打つ事。
ナンバ
ナンバ歩きの事。右手と右足、左手と左足をそれぞれ同時に出して前に進む歩き方。
二刀にとう
二刀流にとうりゅうとも言う。両手に刀を持つ事。
抜き胴ぬきどう
相手の懐に入り込み、胴を切る斬り方。
盗むぬすむ
実際居るべき立ち位置ではないが、カメラ位置や芝居の兼ね合いで、立ち位置をずらす事。
納刀のうとう
刀を鞘に入れる所作。

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は行

弾きはじき
飛ばしとばし払いはらいなどとも言う。斬りかかって来た相手の刀に対して自身の刀を振り当て、相手に後ろにさがってもらう(跳ね上げ)・自身の後方に移動してもらう(受け流し)以外の方向に移動してもらう時に使う。
刃筋を立てるはすじをたてる
相手を斬る為に、刀の「刃の向き」を「斬る角度」に合わせる事。刃筋が立っていない状態を「刃筋が寝ている」と言う。
斜に構えるはすにかまえる
刀を斜めに構える。体を斜めに構える場合もある。
八相はっそう
八相の構え。刀を縦にまっすぐ持ち、右耳の横に柄があるように持つ構え方。逆に刀を左耳横に構えると逆八相ぎゃくはっそうの構えとなる。
抜刀ばっとう
刀を鞘から抜く所作。
跳ね上げはねあげ
攻撃に対して、下から上に跳ねあげる刀の捌き方。跳ね上げられた時に攻撃した方は真後ろにさがるのが基本動作。
払いはらい
追っ払いおっぱらいもしくは飛ばしとばしのどちらかの意味で使っている事が多い。
半身はんみ
相手に対して横向きに立ち、相手・自身の肩と腰が一直線になるように横になる姿勢。
平正眼ひらせいがん
平正眼の構え。正眼の構えだが、切っ先を右へ寝かした構え。
開き足ひらきあし
右へ移動するなら右足、左に移動するなら左足から足を踏み出して、体を開く足運び。
平突きひらづき
刀で胸を突く時に肋骨を避けるよう、刀を水平にして突く事。
踏み込み足ふみこみあし
剣道の面打ちでよく見受けられる足運び。後ろ足で蹴って、前足が飛びこむように前進する足運び。
振りを渡すふりをわたす
殺陣師が殺陣の動きを役者に伝える事。

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ま行

間合いまあい
相手を斬れる距離(自分の間合い)。自分と相手との距離という意味でも使う。間合いを取る、間合いを詰める等と使う。
巻き落としまきおとし
攻撃してきた刀を受けてから、自身の刀を回して、相手の刀を上から叩く捌き方。もう一つは、刀を回しながら、相手の刀を上から叩く捌き方。道場や団体によって、教え方が異なる。
真向まっこう
真向唐竹割りまっこうからたけわり・真向斬りなどの略。正面に真っ直ぐ上から下へ斬りおろす刀の振り方。
見得を切るみえをきる
歌舞伎から来た言葉。自分の力を誇示するように見せる決めポーズ。
峰打ちみねうち
刀の峰で相手を打ち叩く事。
峰返しみねがえし
相手を刀の峰で打ち叩けるように、刀の刃と峰が反対になるように持つための動作。
身の内みのうち
間合いの距離より自身側の空間の事。手で届く範囲より内側。
無構えむがまえ
刀を構えず立ったまま、相手に正対する構え。強さをアピールする表現などに使われる事が多い。
無駄足を踏むむだあしをふむ
芯が動く中での必要な歩数を超える事。不要な足運びをしている事。
無手むて
素手で戦うこと。
無刀取りむとうどり
素手で斬りかかってきた相手の刀を奪い取る技。
股立を取るももだちをとる
袴の裾を引き上げて、動きやすくしたり、裾が汚れるのを防ぐ所作。

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や行

やなぎ
擦り流しすりながしを指す場合が多い。柳受けやなぎうけの場合は、柄は顔の高さ程度に持ち、柄より切っ先を下方に構えた受け方。
山型やまがた
山を描くように斬りかかる。袈裟、逆袈裟と斬りかかる動作。この時、斬りかかられた方は避けが基本動作となる事が多い。
横一文字よこいちもんじ
斬り方、構え方、帯刀の仕方など、横一線のものを指して言う。横一文字斬り、水平斬り(すいへいぎり)、横一文字の構え、など。
横面よこめん
肩越しから腰あたりの高さで横から水平に斬りかかる。この時は捌かれる事が多いため「寸止め」の事が多い。
避けよけ
相手の攻撃をよける事。

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ら行

離合りごう
相手とすれ違ってお互いの立ち位置を入れ替える動作。

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わ行

脇構えわきがまえ
刀を右脇に持ちって切っ先を後ろに下げ、刀身の長さを相手に知られないようにした構え方。

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